ナマズンの会計士受験お勉強メモ

会計士試験に必要だろうなと感じた事前知識や心構えを書くぞ

論文式試験勉強法〜監査論〜

このブログの論文式試験のお話は、主に12月組又は過年度論文生を想定しています。5月組は全く異なるアプローチでないと時間が足りず通用しないと思います。

 

 

<前提>

私は論文の監査論が最も苦手であり、普段の答練でもごく稀に名前が載る程度でしたので、他の記事以上に「ただの参考」として以下を読んでください。

 

<短答と論文の違い>

短答と比べて範囲が狭くなります。

会社法や金商法、その他細かい話は範囲から外れます。(監査基準に書かれている細かい話は法令基準集に載っているので仮に出題されても探せば正解できます。)

 

必要な知識が深くなるのか?と 言えばそう言うわけではありません。

新たに入れる知識は「基準改定の背景と内容」が主で、あとは短答の知識と変わりません。

しかし、この短答の知識が問題で、「大体知っているけど必要十分な内容を正確に書けないこと」が大きな壁として立ちはだかります。

したがって、論文式試験に向けての勉強は、「正しい知識を正しい順序で必要十分な分量のみ書けるようにすること」が最も重要になります。

 

<監査論に関する知識及び注意点>

①平成14年以降の改定の背景と内容を覚え、書けるようにする。

②単語を正確に覚え、使い分けられるようにする。

③法令基準集に載っていない論点を理解する。

 

〜解説〜

 

①についてですが、監査論は、背景を問う問題が多く出題されます。「背景を答えなさい」という直球の問題だけでなく「改定前の問題点を説明しなさい」、「改定前まで指摘されていた内容を説明しなさい」など、「背景」という言葉はなくとも背景を問う問題が出題されます。また、背景は法令基準集に載っていないため、知らなければ書けません。合格する気のある受験生ならばみんな覚えますので(正確に書ける訳ではない)、ここで差をつけられないように、書けるようにしておきましょう。

 

②についてですが、短答では単語を正確に覚えなくとも雰囲気で正答することが出来ましたが、論文では正しく文字で書かなければなりません。当たり前のことなのですが、例えば、内部統制監査の検討項目は「評価範囲、評価手続き及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討すること」ですし、適正性準拠性にかかわらず必要となる会計基準に関する監査人の判断は「経営者が採用した会計方針が会計の基準に準拠し、継続的に適用されているかどうか、会計方針の選択や適用方法が会計事象や取引の実態を適切に反映するものであるかどうか、財務諸表が表示のルールに準拠しているかどうか」ですし、これを間違えずにちゃんと書けるようにしないといけないのです。(てにをはレベルで一言一句と言う意味ではないです)

前者であれば範囲手続き結果の3点のうち1点でも漏れると意味が変わりますし、あくまでも検討する対象は内部統制報告書ですし、これらを必要十分な範囲で書けなければいけません。後者であれば、適正性だの準拠だの適切だのとゴチャゴチャしてますが、書けなければいけません。

したがって、正確に、必要十分な内容を書けるよう、何度も読んで書いて模範解答と照らし、何が足りているのか又は足りていないのかを覚えていきましょう。

 

③一般原則、不正リスク対応基準、四半期レビュー、内部統制監査、公認会計士法、倫理規則は載っていません。これらは知っていなければ解けないので、知っているかどうかで差が出ます。あまり深掘りしても無駄なのですが、答練で出題されるような、みんなが覚える基本的な箇所は暗記して覚えるようにしましょう。

逆に言えばこれ以外は載っていますので、本番で時間が余った時には頑張って探してみましょう。

 

<初学者向け、勉強時期について>

 

短答知識から新たに増やすものは少ないので、焦らず会計学や租税法を優先すると良いと思います。 しかし、単語を正確に書く練習は短期間で出来るものではありませんので、例えば、予備校の答練のタイミングに合わせて勉強をしていくのが良いのではないでしょうか。また、書けない問題は多くても、解けない問題は少ないと思いますので、最悪答練の後追いで、書けるようになるべき問題を正確に書くようにしていく方法でも良いと思います。

 

<監査論の勉強の仕方>

まずは問題集を利用し、模範解答を丸暗記しましょう

丸暗記が終わったら、「何をどこまで書けばいいのか」を考えながら問題集を解き直し、丸暗記した知識の質を高めましょう。

なぜ丸暗記を優先するかと言うと、監査論は理論の流れがわかると「わかった気になる」からです。わかった気になって単語を正確に覚えず必要な答案を書けなくなるのでは本末転倒ですので、まずは単語を正確に覚え、そのために模範解答の丸暗記を優先し、その後、理論の流れを意識して模範解答の解読を行っていくことをお勧めします。

 

問題集の勉強が終わったら、背景を覚えましょう。問題集にも背景の問題が載っている思いますので、そこで暗記が出来ていればそれに越したことはないです。ただ、平成何年の改定ではどんな背景の下、何が変わったのかと言うことを一体として覚えておく必要がありますので、原典を参照しながら覚えることをお勧めします。

 

問題集、背景の暗記が終わりましたら、問題集、答練では足りない重要な箇所を覚えていきましょう。

普通は問題集と答練で網羅的になっているはずなのですが、例えば公開模試で出題するために出し惜しみされている範囲があったりします。私の時だと実施論における各監査手続きの問題がそうでした。

そういった論点は手薄になりがちなので、余裕があるうちにテキストを読み込むなど、知識の追加をしておくと良いと思います。

 

なお、その受験年度に改定がある場合ですが、基本的にはその改定について真正面から出題される可能性は低いと考えて間違いないです。その代わり、当該改定に強く関係する既存の論点について出題される可能性は相当高いので、その既存の論点をしっかりと勉強するようにしましょう。

 

<論文答練について>

①答練を受ける。

②復習していない答練が4個程度溜まったらまとめて解き直しをする。この際必ず時間を計り、制限時間以内に解けたかどうかも重視する。

③②を繰り返し、「基礎答練」「応用答練」などを1ヶ月〜2ヶ月程度おきにまとめて解き直しをする。法令基準集に載っているものが多いので、得点は9割以上、時間は1時間半程度を目標にしましょう。

 

<余談>

短答の時点で単語を正確に覚え、書けるようにしておくと論文監査論がオアシスになるはずです。ただ、短答時点で単語を正確に覚え、書けるようにする必要は全くないですし、その時点では時間の無駄でしかないので、短答時点で「なるべく正確に覚える」程度の心づもりでいるようにすれば良いのかな、と思います。