このブログの論文式試験のお話は、主に12月組又は過年度論文生を想定しています。5月組は全く異なるアプローチでないと時間が足りず通用しないと思います。
<短答と論文の違い>
出題範囲は全く同じで、出題形式が変わります。
・計算は、総合問題形式に変わり大問一つを30分弱程度で解くようになります。資料や問題文の量が跳ね上がるため、管理会計論の計算が苦手な人にとっては更に難しく感じるかもしれません。しかし、計算が得意な人にとっては差をつけるチャンスとも言えます。
・理論は、短答までは文章を読んで○×の判断が出来ればよかったところが、白紙に文章を書かなくてはなりませんから深い理解が求められます。とは言え、計算ありきの理論や、多くの受験生が知らない論点など、埋没になるものも多く、「書けなければいけない理論」の量も他科目と比べると少なかったりします。
以上より、論文に向けての勉強は主に
①ーα(計算が得意)総合問題形式での出題にも対応出来るように、丁寧な下書き、正確な資料の読み取り、素早い計算を目指す。
①ーβ(計算が苦手)計算を得意に変える。最低でも解き方がわかる問題は正解できるようにする。
②正しい文章を書けるようにする。
ことを目的に行うこととなります。
<管理会計論に関する知識及び注意点>
・大問1個丸ごと埋没になる場合がある。
〜解説〜
管理会計論は短答も論文も超難度になる場合があり、論文の場合、大問4個中の1個が丸ごと埋没になる場合があります。また、大問丸ごとと言わずとも、大問の半分とかが埋没になったりします。
このため、大問1個全く解けなくても合否に影響がない場合もあるわけですから、その埋没で時間を溶かさないよう時間配分に気をつけなければいけませんし、他にも解けないからとパニックになって他の問題を冷静に解くことができなくならないようにも気をつけなければいけません。
なお、計算が得意な人は埋没だろうと何だろうと解いて偏差値70超とか取ってくるので、自分が計算得意派だと思う方は難しい計算でもある程度は解けるように計算力を高めておいても良いのではないかと思います。
<初学者向け、勉強時期について>
計算は、総合問題形式になるだけなので論文答練までは定期的なメンテナンス以外、特別何かする必要はないと思います。
理論は、他科目と比べてそこまで分量が多くないので論文答練に間に合うなら開始時期自体は遅めでも良いと思います。
<計算の勉強の仕方>
総合問題形式の計算答練(某予備校で言うステップⅡ)と論文答練を繰り返し解きましょう。
管理会計論の計算は、短答も論文も「下書き・資料の読取・計算スピード」が大切で基本は変わりません。詳しくは「短答式試験勉強法〜管理会計論〜」の方に記載してありますので、そちらをご覧ください。
基本的には答練を繰り返し解いて勉強することになりますが、
・短答で使った計算答練・・・知識を正確にするため
・上記以外の答練・・・「下書き・資料の読取・計算スピード」の練習のため(総合問題対策)
のような感じで使い分けることになると思います。
計算の得意不得意にもよりますが、知識を正確にするのは5月あたりまでに終わらせて、それ以降は総合問題対策に時間を使うのが望ましいのではと思います。
計算がどうしようもない方は、一度計算が得意な友達等に頼んで解くところを見せてもうと良いかもしれません。真似しても効果はありませんが、得意な人の思考プロセスを知ることで参考になることがあるかもしれません。
<理論の勉強の仕方>
私の通っていた予備校だけかもしれませんが、論文理論用問題集が配られたのが4月末でした。私はどうしても早期に問題集が欲しかったためテキストを使って論文理論用問題集を自作しましたが、通常は重要性や正確性に問題が生じ勘違いしたまま勉強を進めるハメになるため作らない方が良いです。ですので、問題集を持っていない方はテキストベースで学習をしていくことになります。問題集があればその問題集に書いてあることを覚えていけば良いはずです。
理論問題は
①原価計算基準の文言、単語の定義を問う単純暗記問題
②用語の意味、長所、短所、登場背景などを問う理解を伴う問題
③計算結果を元にどういうことが言えるのかを問う問題
の3種類があります。
③は計算ができれば②の知識で解けますので、①と②に対応できるよう、「文言」「定義」「どのようなものか」「何に使えるのか」「長所」「短所」などをおさえておきましょう。
<論文答練について>
①答練を受け、計算だけ自己採点をする。
②間違えた箇所、理解が足りなかった箇所をその日の内に見直し、解消する。
③①〜②を続け、復習していない答練が4個程度溜まったらまとめて解き直しをする。この際必ず時間を計り、制限時間以内に解けたかどうかも重視する。
④③を繰り返したら、「基礎答練」「応用答練」などを1ヶ月程度おきにまとめて解き直しをする。難易度に関わらず得点は80点以上、時間は1時間半〜2時間程度を目標にしましょう。
とにかく時間配分に気をつけましょう。
大問1個あたり30分を超えた場合、基本的には次の大問に移らないといけません。例外として、解き方が完全にわかっていて自信もあって時間さえあれば解けそうな場合にはそのまま突っ込む方が良いこともあります。
また、問題を解く前に小問をざっと見ておきましょう。計算結果を使わずに書ける理論問題があれば、計算より先に解いておくことをおすすめします。
これは、計算で無駄に時間を使いすぎて理論を解く時間がないということを防ぐ目的があります。
<最後に>
計算が得意な人はこの科目を全力で楽しみましょう。
計算が苦手な人はこの科目への「苦手意識」をなくしましょう。「苦手意識」を持つと苦手なものを勉強しなくなり、さらに周りから置いて行かれてしまいます。意識を切り替えたり、期間と量でノルマを課したりして、ちゃんと取り組むようにしましょう。