ナマズンの会計士受験お勉強メモ

会計士試験に必要だろうなと感じた事前知識や心構えを書くぞ

短答式試験勉強法〜財務会計論(理論)〜

<財務理論とは>

財務会計論は計算だけでなく理論も問われます。計算ほどではないですが、相当の分量があり大変です。理論を学習することで理論問題への対応ができるようになるだけでなく、計算の背景理解にもなり、計算の点数アップも期待できますので、重要な財務会計論を得意科目にできるようしっかり勉強していきましょう。

 

※この記事では範囲をいくつかに分け、下記の独自の呼称を使いますのでご了承ください。

・総論=会計主体論、企業会計原則、概念フレームワーク、収益、費用、資産、負債、純資産など、考え方の基盤になる範囲のこと。

・各論=リース、退職給付、外貨など、それぞれの会計処理のこと。

 

 

<勉強について>

財務理論の講義は計算の授業が終わってから、もしくは半分以上進んでからくらいから開始されると思います。

初学者では、「計算を重視し過ぎたせいで12月短答までに理論科目が終わらなかった」と言って落ちるパターンがあるあるですので、理想としては講義のペースにあわせて財務理論の勉強が出来れば最高です。しかし、財務理論の講義が開始する頃では、計算が不十分だったり、計算の復習と企業法の暗記でいっぱいいっぱいだったりして財務理論にまで手が回らない場合もあり得るため、こういう方は講義を聞くだけ聞いて後で復習できるようにマーカーやメモを取るだけに抑え、他科目の勉強を優先しても良いと思います。

 

本格的な財務理論の勉強開始時期の目安としては、

①6月中旬(○)

②8月頭(◎)

③9月頭(△)

の3パターンがあると思います。

財務理論のスタートは監査論のスタートと被ると思います。このため、「どちらを先に始めるか」によってスタート時期が変化すると思います。①と②で選ぶ分には問題はありませんが、②と③で選ぶとちょこっと大変な目にあうのでオススメしません。

 

 

財務会計論を勉強する際は、まず総論を完璧にすることを第一目標としてください。

財務会計論は学問としての歴史が長いこともあり、かなり体系化されていると言えます。このため、幹となる総論の理解がしっかりすればするほど、枝葉である各論の理解もしやすくなり、定着も良くなります。

しかし総論の範囲は各論と違い「計算でやっていることを文章化した」ものがほとんどなく、とっつきにくい印象を持たれるかもしれません。始めがキツイですが、何とか頑張って切り抜けていきましょう。

また、財務理論は出題範囲に実務指針が含まれており、出題可能性のある範囲の分量が非常に膨大です。このため、見たことのない問題や、知らない論点、知らない言い回し等にぶち当たることが多々あります。総論の理解をしっかりして、こういったケースにもある程度対応できるようにしておきましょう。

 

総論の勉強は主に

「テキスト精読→知識の整理→肢別問題集」

で問題ないと思います。

ただし、財務理論の場合は企業法等と異なり、同じ論点でも文章が全く違うものになることが多々あります。肢別問題集を解くだけだと文章が変わった時に対応しづらいことがあるため、「何がメインで問われているのか」「テキストではどのように書かれているのか」などを意識して、文章が変わった場合にも対応できるようにしておきましょう。

 

 

総論が終わったら次は各論です。

各論の範囲は、他の方もよく言われているように「計算で使う考え方をそのまま文章化した」ような論点も多々含まれています。そして、総論で学んだ考え方の基礎を元にして各会計処理ごとの詳しい考え方が作られていますから、計算や総論の勉強が終わった方々にとっては進みやすく覚えやすく理解しやすいと思います。

 

各論の勉強をしてみて、総論よりも理解がしやすいと感じた方は、企業法のように肢別問題集メインで勉強を進めていって問題ないと思います。全暗記でも良いくらいです。

総論と同じくらい苦労する、もしくは総論よりも覚えにくいと感じた方は、計算や総論の理解が甘いため、そちらに戻って勉強し直すことが必要ですし、肢別問題集だけでなく、テキストを読み込んで体系的な理解をできるよう努めていきましょう。

 

肢別問題集を利用して勉強をする場合は、1冊を通した正解率が95%以上になることを最終目標にしましょう。

ただし、95%以上になるのはあくまで試験直前で良いため、勉強中では各章ごとに80%以上や90%以上などの当座目標を各々設定していきましょう。

なお、当座目標を設定せず「○周解いたから次の範囲に進もう」などという勉強をすると、必要な知識量を確保できず、それが積み重なることで後の復習時に手のつけられない状態になっている、ということに気づくだけなのでやめましょう。

 

 

<余談>

財務会計論には税効果会計というものがあります。

計算でも理論でもお世話になる論点ですが、中々ややこしく、人気のない論点でもあります。

論文式試験になると「租税法」が追加されますが、税効果会計の理論をしっかりと理解しておくと、租税法のうちの「法人税法」の導入部分でかなり優位に立つことができます。

税効果会計は会計上、法人税法は税法上のものであるため、完全にイコールではないのですが、計算の理屈としては似た部分がかなりあるため、なるべく短答式試験が終わるまでに税効果会計を得意な論点にしておくことをオススメします。

 

 

<短答理論科目の共通注意点>

短答理論は4肢から2肢を選ぶ問題がほとんどです。

全肢の判断が正確に出来ればそれに越したことはありません。

実際は「○だと思うけど自信ない」「全くわからない」という肢が紛れています。

また、自分の知識が間違っており、「全肢見てみたら○が3肢あった」ということもあります。

・ 必ず全肢を確認。

・他の肢で判断できない時は、逆バリせず「○だと思うけど自信ない」を○にする。

・1肢削れば正解率は16%から33%に跳ね上がるため、1肢でも多く削る。

特に3点目が一番伝えたいことです。

1肢削れば得点の期待値が上がりますので、1肢でも多く削られるよう、なるべく論切りせずベストを尽くして本番に臨みましょう。